HUAWEIはJC-STAR取得済み?メーカー別対応一覧
1. JC-STAR要件化で変わる太陽光・蓄電池市場
2026年度から、太陽光発電・蓄電池業界で急速に注目されているのが、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が運営するIoT機器向けセキュリティ認証「JC-STAR」です。これまで太陽光発電設備や蓄電池の機器選定では、発電性能・価格・保証年数が重視されてきましたが、今後は「サイバーセキュリティ対応」が新たな必須条件になりつつあります。
特に2026年度の環境省「ストレージパリティ補助金」では、JC-STAR適合機器が実質的な補助金要件となりました。さらに2027年は高圧・低圧の系統連系要件化も見込まれています。つまり、これから太陽光発電・蓄電池・PCS(パワーコンディショナ)を導入する事業者や農家にとって、「どのメーカーがJC-STAR認証を取得しているか」は、補助金採択や将来の系統連系を左右する重要テーマです。
先に結論(2026年4月時点・公開情報ベース)
HUAWEI・SUNGROWは自社ブランドでのJC-STAR取得が未確認です。住宅用蓄電池はニチコン・オムロンが★1を取得済みで先行しています。補助金前提の案件は、執行団体の登録製品リストに掲載された機器から選ぶのが確実です。
速報(2026年8月25日追記)
計測制御端末「Solar Link ZERO」(ラプラス・システム)が2025年11月にJC-STAR★1を取得しています。ネットワーク接続をこの端末へ集約すれば、パワコンが自社ブランド未取得のメーカーでも接続点をJC-STAR適合機器にできます。ただし低圧4.95kW・20kWクラスのパワコンは現時点で連携非対応です。詳しくは第6章で解説します。

2. JC-STAR制度とは?要件化スケジュールをわかりやすく解説
2-1. JC-STARとは何か
JC-STARは、IPA(情報処理推進機構)が運営するIoT機器向けのセキュリティ認証制度です。経済産業省の方針のもと2025年3月から運用が始まり、インターネットに接続される機器が、一定のサイバーセキュリティ基準を満たしているかを評価・公表する仕組みとして整備されました。
対象となるのは、家電や産業機器だけではありません。太陽光発電のPCS(パワーコンディショナ)や蓄電池、HEMS、V2H機器など、再エネ・エネルギー分野のIoT機器も含まれます。
近年は、太陽光発電設備や蓄電池がクラウド監視や遠隔制御に対応するケースが増えており、サイバー攻撃による不正アクセスや遠隔操作リスクが課題になっています。JC-STARは、こうしたエネルギー機器のセキュリティ対策を標準化するための制度として導入が進められています。
2-2. JC-STARの★レベル区分
JC-STARでは、機器の用途や求められるセキュリティ強度に応じて、★1〜★4の4段階で認証レベルが分かれています。

2026年4月時点で、太陽光発電・蓄電池分野で取得が確認されているのは、主に★1レベルです。今後は、高圧設備や系統用蓄電池を中心に、★2以上の取得が広がっていくと見られています。
2-3. JC-STAR要件化スケジュール
JC-STARは、単なる「推奨認証」ではなく、今後は太陽光発電・蓄電池設備の導入条件そのものに関わる制度へ移行していく見通しです。現在公表・検討されている主なスケジュールは以下の通りです。

特に重要なのが、2026年度の補助金制度です。環境省のストレージパリティ補助金では、JC-STAR適合機器が登録製品リストに掲載される形式となっており、実務上は「JC-STAR未対応では補助金申請が難しい」状況になっています。
さらに2027年以降は、補助金を利用しない案件であっても、JC-STAR適合機器でなければ系統連系できない方向へ進む可能性があります。
そのため、これから太陽光発電・蓄電池・PCSを導入する事業者や農家は、次の2点を早い段階で確認しておくことが重要です。
- 現在使っている機器が今後も使い続けられるか
- 次回更新時にJC-STAR対応機種へ切り替える必要があるか
3. JC-STARと2026年度補助金の関係
実務でいちばん影響が大きいのは補助金との関係です。仕組みは「登録製品リストに載っている機器しか補助対象にならない」という一点に集約されます。
3-1. 補助金でJC-STARが“実質必須”になった理由
2026年度の環境省ストレージパリティ補助金では、環境技術普及促進協会(ETA)などの執行団体が公開する「登録製品リスト」に掲載された機器のみが補助対象となります。
そして、この登録条件の中に「JC-STAR適合(★1以上)」が組み込まれています。

つまり、PCS(パワコン)や蓄電池がJC-STAR未取得の場合、原則として補助金対象機器に登録されず、申請そのものが難しくなる仕組みです。
2026年度の主な補助条件は以下の通りです。
- 補助率:1/2
- 蓄電池補助上限:3.9万円/kWh
- PPA補助上限:5万円/kW
- 総額上限:6,000万円
- 一次公募:2026年5月15日に締切済み。以降の公募状況は執行団体の公表をご確認ください
補助金額が大きい分、機器要件の確認漏れによる申請不可リスクも大きくなっています。
特に営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)では、補助金を前提に事業収支を組むケースが多いため、「あとからJC-STAR未対応が判明した」という事態は避ける必要があります。
3-2. 2027年の系統連系要件化も見据えて確認したいポイント
2026年度補助金でJC-STAR対応機器を選定しておくことは、2027年以降の系統連系要件化への先行対応にもつながります。
スケジュールは第2章のとおり、2027年4月に高圧設備、同年10月に低圧50kW未満での要件化が見込まれています。
そのため、「補助金を取れるか」だけでなく、「将来的に継続運用できるか」という視点で機器を選ぶことが重要です。
【補助金申請前にチェックしたいポイント】
- パワコン(PCS)・蓄電池・HEMSなどがJC-STAR認証取得済みか
- ETA・EICなどの登録製品リストに掲載されているか
- 認証レベル(★1〜★4)が用途要件を満たしているか
- 型番・認証番号を申請書類へ正しく記載しているか
- 今後の後継機・増設時も同シリーズで対応継続できるか
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)案件で活用可能な2026年度補助金の全体像は、以下の解説記事に網羅していますので、JC-STAR対応状況とあわせてご参照ください。
▶ 【2026年度】営農型太陽光発電で使える補助金まとめ(ETAストレージパリティ補助金 完全ガイド)
4. 国内メーカー先行:蓄電池系のJC-STAR取得動向
住宅用蓄電池ではニチコン・オムロンの国内大手2社が早期に★1を取得しました。一方、系統用・大型産業用ではSamsung SDIなど海外勢の取得も確認されており、用途によって“強いメーカー”が分かれているのが現在の市場構図です。
4-1. 蓄電池系:取得済みメーカー一覧

住宅用領域で国内大手2社が早期に★1を取得した意義は大きく、住宅用蓄電池の補助金申請の現場では、当面この2社を軸に提案が組まれると想定されます。
4-2. 国内勢が先行した背景
国内メーカーが早かった理由は、次の3つに整理できます。
- 補助金と販売が直結している:国内の住宅用蓄電池は補助金前提の導入が多く、「補助金対象機器になれない=販売機会を失う」ため対応の優先度が高い
- 手続きのハードルが低い:IPA(情報処理推進機構)とのやり取りを日本語で進めやすく、国内法規・技術資料への対応ノウハウがある
- 販路への責任が重い:自治体・施工店・販売代理店との関係が強く、対応の遅れが取引全体に波及する
4-3. 海外メーカーの事情
グローバル展開する海外メーカーは、日本市場だけのために追加認証を取得するかを本社レベルで判断します。次の3点を踏まえながら、取得タイミングを見極めている状況です。
- 日本市場での売上規模
- 補助金市場への依存度
- 将来的な系統連系要件化への対応方針
特に住宅用蓄電池や低圧PCSの分野では、「まず欧州・北米市場を優先し、日本向け対応は後追い」というケースも少なくありません。
その結果、2026年4月時点では住宅用・家庭用領域で国内メーカーの先行する構図が鮮明になっています。
5. 海外メーカーのJC-STAR取得状況|地域別マトリクス
住宅用蓄電池では国内メーカーが先行する一方、産業用PCS(パワコン)や系統用蓄電池の分野では、海外メーカーのJC-STAR取得が目立ち始めています。
大規模プロジェクト向けでは欧州・韓国・台湾メーカーが先行する一方、日本国内でシェアの大きい中国メーカーは自社ブランドでの取得が公開情報上確認できていないという対照的な構図です。
5-1. 海外PCS・蓄電池メーカーのJC-STAR取得状況(2026年4月時点)

5-2. 海外勢が先行した分野・遅れている分野
地域別に見ると、先行の背景がそれぞれ異なります。
- 欧州勢(独SMA・西Power Electronics):欧州市場でも類似のサイバーセキュリティ規制(CRA等)対応経験があり、日本のJC-STARへの対応がスムーズに進みやすい構造。
- 韓国・台湾勢(Samsung SDI・dots energy):系統用・大型産業用領域で取得実績あり。日本のメガソーラー・系統用蓄電池プロジェクトで継続的に採用されている。
- 中国勢(HUAWEI・SUNGROW):日本市場でのシェアは大きいものの、自社ブランドでの取得確認は2026年4月時点では未確認。HUAWEIはPSE・JET適合済みで日本拠点もあります。
6. 2026年時点での現実的な機器選定アドバイス
太陽光発電・蓄電池は一度導入すると20年以上運用する設備です。だからこそ「今安い機器かどうか」だけでなく、次の4点まで含めて判断することが重要です。
- 補助金対象になるか
- 今後も継続運用できるか
- 系統連系要件に対応できるか
- メーカーの認証取得方針が明確か
ここでは、2026年4月時点でsplightが実務的に推奨しやすい考え方を、案件タイプ別に整理します。
6-1. 案件タイプ別|おすすめの考え方
- 住宅用(新規):ニチコン・オムロンは早期取得済みのため、補助金活用案件で安心して提案可能。
- 低圧50kW未満(産業):2027年10月の系統連系要件化を念頭に、新規導入はJC-STAR適合機器を優先。安川電機・ダイヤゼブラ電機等の国内メーカー対応状況も継続フォロー。
- 高圧・系統用:欧州勢(SMA・Power Electronics)が先行取得済み。Samsung SDI(系統用蓄電池)も選択肢。設計段階でJC-STAR対応PCS・蓄電池の組合せを検討。
- 営農型(ソーラーシェアリング):補助金活用が前提となる案件が多いため、機器選定段階でJC-STAR対応状況を必ず確認。詳細は別記事「▶ 営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)導入ガイド」をご参照ください。

6-2. 環境省ストレージパリティ補助金(2026年度)との関連
補助率・上限額・登録製品リストの仕組みは第3章のとおりです(一次公募は2026年5月15日に締切済み。以降の公募状況は執行団体の公表をご確認ください)。申請フローの詳細は以下の解説記事をご覧ください。
▶ 【2026年度】営農型太陽光発電で使える補助金まとめ(ETAストレージパリティ補助金 完全ガイド)
6-3. 速報:監視装置側でJC-STARに対応する構成
2026年8月時点の新しい動きとして、計測制御端末側でJC-STARに対応する構成が出てきました。ラプラス・システム社の「Solar Link ZERO」(T5・T4)は、2025年11月7日にJC-STAR★1の適合ラベルを取得しています(適合ラベル登録番号 2025119900001050)。
着目すべきは、システムの中でインターネットにつながる機器をどれにするかという点です。従来の「パネル→パワコン→SmartLogger」の構成に代えて、「パネル→パワコン→Solar Link ZERO」としてネットワーク接続をJC-STAR適合の端末に集約します。この構成なら、パワコンが自社ブランド未取得のメーカーでも、接続点のセキュリティを公的基準で担保できます。HUAWEI・SUNGROWなど未確認メーカーのパワコンを使う案件にとって、有力な選択肢になり得ます。
ただし、次の2点に注意してください。
- 連携できるパワコンに制約があります:当社がラプラス・システム社に確認したところ、低圧の4.95kW・20kWクラスのパワコンは2026年8月時点で連携非対応です(今後対応される見込み)。案件の機種構成ごとに同社の対応状況を確認してください。
- 補助金の要件を満たすかは別問題です:環境省ストレージパリティ補助金は、パワコン・蓄電池そのものが登録製品リストに掲載されていることを求めます。監視装置側の適合で代替できるかは、執行団体への確認が必要です。2027年に見込まれる系統連系要件も詳細は未公表です。最終的な適合可否は今後の公表をご確認ください。
出典:ラプラス・システム「Solar Link ZEROがIoTセキュリティ制度『JC-STAR』の適合ラベルを取得」。連携可否・今後の対応見込みは当社確認(2026年8月時点)。
7. splightのサポート体制と最新のJC-STAR対応状況
splightでは、太陽光発電・蓄電池・ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の導入において、補助金申請から機器選定、施工、導入後サポートまでを一気通貫でご支援しています。
特に2026年度は、JC-STAR認証の有無が補助金申請や将来の系統連系に直結する重要なテーマとなっているため、当社でも最新情報の収集・確認体制を強化しています。
- 取扱メーカーへの定期的な照会:認証取得状況・取得予定時期の確認
- 補助金執行団体の登録製品リスト監視:環境イノベーション情報機構(EIC)・環境技術普及促進協会(ETA)等
- IPA公式情報のフォロー:制度改定・対象カテゴリ追加等の確認
- お客様への個別ご案内:見積・申請段階で最新の対応状況を都度ご報告
弊社取扱の各メーカー製品についてのJC-STAR対応状況は順次確認・更新中です。取扱商品全体ラインアップ(パネル・PCS・蓄電池)および最新の対応状況については、以下のページもしくはお問い合わせ窓口でご確認ください。
splightで購入できる関連商品(税抜価格を各ページに掲載)
8. まとめ:JC-STAR要件化に向けて、2026年から準備を始めよう
2027年の系統連系要件化を見据えると、JC-STAR対応は「将来の話」ではなく、すでに機器選定の前提条件になり始めています。
ここで、重要なポイントを改めて整理します。
- JC-STARは、2025年3月に運用開始したIoT機器向けセキュリティ認証制度
- 2026年度の環境省ストレージパリティ補助金では、JC-STAR適合(★1以上)が実質要件化
- 2027年4月(高圧)・2027年10月(低圧50kW未満)には、系統連系要件化が見込まれている
- 家庭用蓄電池では、ニチコン・オムロンなど国内メーカーが早期取得で先行
- 産業用PCS・系統用蓄電池では、SMA、Power Electronics、dots energy、Samsung SDIなど海外勢の取得が進行
- HUAWEI・SUNGROWなど一部メーカーは、2026年4月時点で自社ブランドでの取得状況確認が必要
- JC-STAR適合の計測制御端末(Solar Link ZERO)にネットワーク接続を集約する構成も登場(第6章・速報)
機器選定の実務は「補助金が使えるか」と「2027年以降も継続運用できるか」の2つの視点で判断するのが確実です。
※ 各メーカーの認証取得状況は2026年4月時点の公開情報・各メーカー発表に基づきます(補助金の公募状況のみ2026年8月時点)。JC-STARの正確な制度仕様・対象機器カテゴリ・各メーカーの認証取得状況については、IPA公式サイトおよび各メーカー公式情報を一次情報としてご確認ください。最終的な補助金採択可否は執行団体の判断によります。
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