特徴・仕組み

同じ容量を半分の敷地幅に収める、追尾の仕組み

splight tracker は、高い設置密度(GCR60%)のまま追尾を続ける一軸追尾型の架台です。このページでは、部位・動き・構造・天候への備え・止まったときの復旧・発電量のデータと製品仕様の順に説明します。

※ 敷地幅の比較は、同一容量・同一パネルでGCR30%とGCR60%を置いたときの幾何条件によるものです。

実機の splight tracker。縦置きパネル8枚を1セットとした架台が複数列に並ぶ
実機。縦置きパネル8枚を1セットとした架台

8枚で1セット。部品点数が少ない構成

縦置きパネル8枚を1セットにして、電動リニアアクチュエーターで角度を変える一軸追尾型の架台です。それぞれの部位が次の役割を受け持ちます。

上から見た1セット

1縦置きパネル8枚2回転軸支柱(3か所)

断面イメージ

東西±35°12345
  1. 1縦置きパネル8枚
  2. 2回転軸
  3. 3電動リニアアクチュエーター
  4. 4位置センサー
  5. 5制御盤と専用アプリ
縦置きパネル 8枚
パネルを縦置きで8枚並べ、1セットとして一緒に動かします。
回転軸
パネルを東西に傾ける軸です。可動域は±35°、追尾精度は±2°です。
電動リニアアクチュエーター
パネルの角度を変える駆動部です。万一止まっても、ユニットごと交換して復旧できます。
位置センサー(ポテンショメータ)
角度を検出し、その値を見ながら位置を合わせます。
制御盤と専用アプリ
制御盤がアクチュエーターを動かし、専用アプリから監視・操作します。アプリでは盤ごとに稼働状態を確認できます。
実機の架台。パネルを水平にした状態で、鋼製の支柱とフレームの構造が見える
実機(パネルを水平にした状態)
縦置きパネル8枚を1セットとした架台
縦置きパネル8枚で1セット
架台を下から見たところ。鋼製の支柱とフレーム
鋼製の支柱とフレーム
架台を下から見たところ。支柱と駆動部
架台下面の駆動部

太陽の位置から、
影が出るタイミングを先に知る。

列の間隔を広げて影を避けるのではなく、配置と制御をまとめて設計する方式です。

断面イメージ|太陽は東(左)から西(右)へ動きます 朝 正午 夕 朝の向き 夕の向き 可動域 ±35° 追尾精度 ±2° 東 西 回転軸/電動リニアアクチュエーターで駆動 太陽の高さと位置は概念図です。実在の緯度にもとづく計算ではありません。
図:±35°の可動域と、東から西へ動く太陽の関係(概念図)

影ゼロ追尾(ZT/Predictive Tracking)は、季節・設置座標・時刻から太陽位置をアルゴリズムで算出し、列間に影が出るタイミングを事前に把握して、可動域±35°の範囲で角度を調整する予測型の制御です。設置密度はGCR60%(設計値)を前提にしています。

  1. 朝東を向く
  2. 正午ごろ水平(0°)に近い角度
  3. 夕方西を向く

※ GCR=敷地面積に対するパネル面積の比率。同一容量なら、必要な敷地幅はGCRに反比例します。

トップの「敷地幅くらべ」で動きを見る⁠

図面で見る、1セットの構成

実証機の設計例です。寸法・基礎形状は敷地条件により変わります(単位 mm)。

平面図|上から見た1セット パネルを1,134mmピッチで8枚並べ、3か所の支柱で受けます。黒丸が回転軸(支柱)の位置です。
立面図|横から見た1セット
01 トルクビーム
パネル列の中心を通る回転軸。ここが傾いて追尾します。
02 W-Eビーム
回転軸の上に直交して並ぶ横桟。パネルを受けます。
03 支点・支柱
3本の支柱で1セットを受けます(支柱の間隔 3,668mm)。
パネル下端 2,000mm
地面からパネルまでの高さ。営農型は農機が通る高さに。
基礎 700mm角
コンクリート基礎の例。ラミング基礎にも対応します。

※ 図面は実証機の設計例です。寸法・基礎形状は敷地条件により変わります。

屋外で動かし続けるための構造

数値は製品仕様にもとづきます。

構造・材質
鋼製フレーム構造(SS400相当/溶融亜鉛メッキおよびステンレス)
基準風速
38m/s(地盤の固さを示すN値・設置地上高さ・積雪などの条件により変動します)
動作温度
−40〜+60℃
安全装置
電流値による過負荷自動停止・リミットスイッチ内蔵(両端)
駆動電源
AC100〜240V(4A)
パネルの固定
クランプ固定(パネルメーカーを問わず搭載可)
実機の架台を下から見たところ。鋼製の支柱とフレームがパネルを支えている
実機の支柱とフレーム(屋上に設置した例)

台風や雪に備えるモードを、事務所から切り替える

専用アプリからその場で切り替えられます。

  • 追尾
  • 営農
  • 雪落とし
  • 台風
  • カスタム
  1. 風速計(オプション)が強い風を測る
  2. パネルを水平にして待避
  3. 風が収まると元の動きに戻る

台風モード

台風が近づいたときは、パネルを水平にして待避します。基準風速は38m/sで、地盤の固さを示すN値・設置地上高さ・積雪などの条件により変動します。風速計(オプション)を付けると、強い風で自動で水平になり、風が収まると元の動きに戻ります。

雪落としモード

雪が積もったときは、雪を落とす角度へ切り替えます。積雪地域向けの積雪仕様もあります(必要な場合はご相談ください)。

※ 追尾・営農・雪落とし・台風・カスタムの5モードを、専用アプリから切り替えます。

アプリの5モードを見る⁠

splight tracker アプリの通知センター。回路の異常検知、台風待避の実行、正常復帰の通知が並ぶ
専用アプリの通知センター。台風待避の実行や、回路の異常検知が届きます。

止まっても、その場で戻せる

追尾が止まると発電量が低下します。止まったときにすぐ戻せることを、設計に含めています。

  1. 予備のアクチュエーターを保管
  2. ユニットごと交換
  3. 架台を組み直さずに復旧
列の端から見た実機。支柱に、パネルの角度を変える駆動部が斜めに取り付けられている
駆動部はユニット交換に対応。架台を組み直さずに復旧できます。

駆動部は電動リニアアクチュエーター。位置を検出するセンサー(ポテンショメータ)で角度を見ながら動かす構造で、万一止まってもユニットごと交換して復旧できます。

予備の部品
予備のアクチュエーターをお客様側で数本保管いただき、不具合時はその場ですぐ交換できる運用にしています。
交換のしかた
ユニットごと交換します。架台を組み直す必要はありません。
相談と部品手配
架台・制御・アプリは、すべて当社の独自開発です。導入後の相談も部品の手配も国内で対応します(全国対応。遠方の場合はまずご相談ください)。
保証
製品保証10年。自然災害・施工不良・改造による損傷は対象外です。

※ 保証・サポートの正式な条件は、仕様書・保証規定の記載に基づきます(資料はお問い合わせフォームからご請求ください)。

発電量は、現時点ではシミュレーション値です

固定式・BT・ZTの3方式を同じ容量・同じ日射条件で比べました。実証サイトの実測値が確定しだい、実測グラフへ差し替えます。

月別の発電量(kWh/kW)

季節による差の出方を見る図。追尾の利得は日射が強く日長の長い月ほど大きく、冬に小さくなります。梅雨(6月)で3系統ともいったん落ちます。

180 135 90 45 0 kWh/kW(月別・1kWあたり) 144 固定式 112 BT 136 1月2月3月 4月5月6月 7月8月9月 10月11月12月 シミュレーション値 実測データ受領後に差し替え
固定式(南向き・傾斜30°) バックトラッキング(BT) 影ゼロ追尾(ZT)

※ 上のグラフはシミュレーション値で、実測値ではありません。

晴天日の出力カーブ(1日)

追尾で何が変わるかが最も直感的に伝わる図。固定式は正午に尖った山になりますが、追尾は朝夕から立ち上がって台形になります。ピークの高さより、朝夕の面積が増えることが効いています。

100 75 50 25 0 出力(固定式の正午ピークを100とした相対値) 朝夕の差が大きい 7時の例:62 対 26 5時7時9時 11時13時15時 17時19時 シミュレーション値
固定式(灰色の面=固定式の1日の発電量) 影ゼロ追尾(ZT) 緑の面=追尾で増えた分

灰色の面が固定式、そこからはみ出した緑の面が追尾で増えた分です。この日の積算は、固定式を100としてZTが137。 晴天の夏日は追尾がもっとも効く条件のため、年間平均(次の図の123)より大きく出ます。いずれもシミュレーション値です。

年間積算の比較(固定式を100)

上の月別グラフの12か月を積み上げた結果です。同じ容量・同じ日射条件での年間発電量の差を示します。

0 50 100 固定式 100 1,075 kWh/kW BT 117 バックトラッキング ZT 123 影ゼロ追尾 1,259 kWh/kW(固定式比 +17%) 1,325 kWh/kW(固定式比 +23%) シミュレーション値
固定式 バックトラッキング(BT) 影ゼロ追尾(ZT)

ZTは固定式に対して +23%、BTに対して +5%(123÷117)となるシミュレーション値です。実測値ではありません。

シミュレーションの前提条件

上の3つのグラフを作図した前提条件の一覧
設備容量同一容量(縦置きパネル8枚1セット × 12列)で3方式を比較
固定式(比較対象)南向き・傾斜30°
BT(バックトラッキング)GCR30%
ZT(影ゼロ追尾)GCR60%・可動域±35°
固定式の年間発電量1,075 kWh/kW として作図。実際は過積載率(パネル容量÷パワーコンディショナ容量)などの条件により、おおむね 1,050〜1,100 kWh/kW です
月別の配分月別の平均日射で按分(概念的な太陽高度モデルによる計算ではありません)

製品仕様

splight tracker の製品仕様一覧
方式一軸追尾型 — 縦置きパネル8枚で1セット(クランプ固定・パネルメーカーを問わず搭載可)
駆動方式電動リニア・アクチュエーター(ポテンショメータ・フィードバックによる位置決め)— 故障時は部品交換ですみやかに復旧
追尾範囲±35°(精度±2°)
構造・材質鋼製フレーム構造(SS400相当/溶融亜鉛メッキおよびステンレス)
基準風速38m/s ※地盤の固さを示すN値・設置地上高さ・積雪などの条件により変動します
動作温度・安全装置−40〜+60℃/電流値による過負荷自動停止・リミットスイッチ内蔵(両端)
駆動電源AC100〜240V(4A)
制御専用アプリによる遠隔監視・制御(追尾・営農・雪落とし・台風・カスタムの5モード)。台風モードではパネルを水平にして待避します
積雪への対応雪落としモードを搭載。積雪地域向けの積雪仕様もあります(必要な場合はご相談ください)
設置密度(GCR)60%(設計値)
保証年数製品保証10年 ※自然災害・施工不良・改造による損傷は対象外

価格は基数・仕様によりお見積りします。

3年国内実証機 稼働
3基海外導入
10年製品保証 ※自然災害・施工不良・改造による損傷は対象外

組立図から抜き出した、主要部材の拡大図

部材の形状は仕様により変わります。

軸受でトルクビームを保持する部分の拡大図
軸受でトルクビームを保持回転軸を上から抱えて支える無給油の軸受。ここが追尾の回転中心です。
支点まわりと駆動部の上端の拡大図
支点まわりと駆動部の上端支柱の上の支点に回転軸が載り、アクチュエーターの上端がつながります。
駆動部の下端の拡大図
駆動部の下端電動リニアアクチュエーターの下端は支柱側のブラケットで留めます。
W-Eビームの締結部の拡大図
W-Eビームの締結Uボルトで横桟を回転軸に締結します。上にパネルを載せます。
回転軸のつなぎ目の拡大図
回転軸のつなぎ目接続プレートとボルトで回転軸どうしをつなぎ、1本の軸にします。
支柱と支点の接合部の拡大図
支柱と支点の接合支柱と支点はボルトで留めます。高さの調整もここで行います。

部材の一覧(9種類)

No.部材材質役割
01トルクビーム溶融亜鉛系めっき鋼板回転軸。パネルの荷重を受けて左右に傾ける中心部材
02W-Eビーム(ハット鋼)溶融亜鉛系めっき鋼板パネルを直接受ける横桟。クランプでパネルを固定
03支点(支柱受け)溶融亜鉛系めっき鋼板支柱の上で回転軸を保持する部材
04軸受(ベアリング)樹脂すべり軸受回転軸を支える無給油タイプ。給油の保守が不要
05電動リニアアクチュエーター—追尾の駆動部。内蔵センサーで角度を検出する
06ガススプリング—パネルの自重を受け、駆動部の負荷を抑える
07ブラケット/接続プレート溶融亜鉛系めっき鋼板駆動部・ビーム・支点をつなぐ金物
08Uボルト・ボルトナット類ステンレス各部の締結。屋外環境を考慮したステンレス品
09制御盤—追尾制御の本体。1台で複数基をまとめて制御する

※ 数量・寸法は基数と仕様により変わります。パネル取付用および基礎との接続用のボルト・ナットは架台に付属しません(強度区分・接地の要否を含めて別途ご相談ください)。

よくある質問

Q今あるパネルや、希望するメーカーのパネルを載せられますか。
A

クランプ固定のため、パネルメーカーを問わず搭載できます。縦置きパネル8枚で1セットの構成です。

Q風にはどのくらい耐えられますか。
A

基準風速は38m/sです。地盤の固さを示すN値・設置地上高さ・積雪などの条件により変動します。台風が近づいたときは、台風モードでパネルを水平にして待避します。

Q雪の多い地域でも使えますか。
A

雪落としモードを搭載しています。積雪地域向けの積雪仕様もありますので、必要な場合はご相談ください。

Q価格はいくらですか。
A

価格は基数・仕様によりお見積りします。敷地の広さと使い方がわかれば、概算の試算からご案内できます。

Q発注から納入まで、どのくらいかかりますか。
A

架台のみのご発注の場合、発注から約2か月で現地納入します。工事を含む工期は案件ごとにご提示します。

Q保証はありますか。
A

製品保証10年です。自然災害・施工不良・改造による損傷は対象外です。正式な条件は、仕様書・保証規定の記載に基づきます。

Qアプリはどの端末で使えますか。
A

パソコンやスマホのブラウザで使えます。スマホアプリは App Store・Google Play に申請中です。くわしくはアプリのページをご覧ください。

敷地の条件を、教えてください。

広さと使い方がわかれば、概算の試算からご案内できます。

エネルギー事業のお問い合わせフォームへ移動します。一軸追尾型(トラッカー)のご相談として受け付けます。

試算を依頼する

ご検討の用途(営農型・野立て・リパワリング)と設置予定地(市町村まで)をご記入いただくと、より具体的にご案内できます。