広島県の自家消費型太陽光に最大500万円|省エネ補助金9/25締切
広島県内で工場・倉庫・店舗を構える中小企業にとって、電気代の負担は年々重くなっています。燃料費調整額や再生可能エネルギー賦課金だけでなく、電力会社が送配電網を借りるために支払う「託送料金」そのものが2026年11月から見直され、電気の仕入れコストが底上げされる見通しです。
この状況に有効な打ち手のひとつが、屋根や敷地に太陽光発電設備を設置し、発電した電気を売電せず自社でそのまま使う「自家消費型太陽光発電」です。広島県は2026年9月4日(金)〜9月25日(金)の第2期募集で、自家消費型太陽光発電などの省エネ設備等を導入する中小企業に最大500万円を交付する「中小企業省エネ設備等導入支援補助金」を実施しています。
本記事は2026年9月9日時点で広島県が公表している第2期公募要領(令和8年8月一部改定)に基づき、補助額の試算例・申請の流れ・必要書類・注意点までをまとめました。
電気代がさらに上がる理由 ― 中国電力 託送料金の2026年11月改定
広島県内の電気料金は、2026年11月からさらに上がる可能性が高い状況です。原因のひとつが、電力会社が支払う「託送料金」の見直しです。
託送料金とは
託送料金とは、送配電網を保有する一般送配電事業者(中国電力ネットワーク)に対して、電力会社が電気を送るために支払う利用料です。電力会社と契約している限り、使った電力量(kWh)に応じてこの費用が毎月の電気料金の中に含まれて請求されます。
2026年11月から適用される新しい託送料金
中国電力ネットワークは2026年8月24日、託送供給等約款の変更届出を行ったと発表しました。新しい託送料金は2026年11月1日から適用され、適用期間は2026年11月〜2028年3月です。電圧区分別の平均単価(税抜)は次のとおりです。

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| 区分 | 見直し前(税抜) | 見直し後(税抜) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 低圧 | 9.34円/kWh | 10.46円/kWh | +1.12円 |
| 高圧 | 4.62円/kWh | 4.96円/kWh | +0.34円 |
| 特別高圧 | 1.75円/kWh | 2.11円/kWh | +0.36円 |
| 全体 | 5.66円/kWh | 6.29円/kWh | +0.62円(約11%増) |
値上げの理由について中国電力ネットワークは、物価・労務費・金利の上昇に加えて、人口減少や省エネの進展による電力需要の下振れで料金収入が減少していることを挙げています。
中国電力は2026年8月25日、この託送料金見直しを契約中の全てのお客さまの電気料金へ2026年11月1日から反映する方向で検討を開始したと発表しました。ただし、具体的な値上げ幅は2026年9月9日時点で公表されておらず、決定次第の発表とされています。
自家消費型太陽光発電で電力会社から買う電気の量そのものを減らせば、燃料費調整額や再エネ賦課金だけでなく、この託送料金の値上げ分も含めて負担を抑えられます。今回の補助金の交付申請は9月25日が締切で、事業完了(検収・支払い完了)は2027年1月29日までと期限が決まっています。11月の値上げに設置を完全に間に合わせられるとは限りませんが、期限内に稼働させれば値上げ後の期間の多くをカバーできます。
広島県 中小企業省エネ設備等導入支援補助金 第2期の要点
正式名称は「中小企業省エネ設備等導入支援補助金」で、太陽光発電設備を含む省エネ・創エネ設備の導入費用の一部を補助する制度です。第2期募集の要点は次のとおりです。


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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集期間 | 2026年9月4日(金)〜9月25日(金) |
| 補助率 | 通常型1/2・特別型(省エネ診断に基づく場合)2/3 |
| 補助上限額 | 500万円(交付決定額が上限) |
| 補助下限額 | 補助対象経費(税抜)30万円 |
| 第2期予算 | 10億円(通常型6億円・特別型4億円) |
| 週別予算配分 | 9/4〜9/11:2.5億円 / 9/12〜9/18:2.5億円 / 9/19〜9/25:5億円 |
| 申請方法 | オンライン申請フォーム(hiroshima-shouene-hojo.jp) |
| 問い合わせ先 | 広島県中小企業省エネ設備等導入支援補助金事務局 082-244-7120/hiroshima_shouene@bsec.jp(平日9:00〜12:00・13:00〜17:00) |
先着順ではなく、各週の予算を申請額の合計が超えた場合はExcelのランダム関数(RAND)による抽選で審査順を決める点に注意してください。抽選の順位が低くても不採択が確定するわけではなく、審査される順番が後になるだけです。
自家消費型太陽光発電とは
自家消費型太陽光発電とは、屋根や敷地に設置した太陽光パネルで発電した電気を、売電せずに自社の工場・店舗・事務所でそのまま使う仕組みです。

電力を多く使う昼間に自家発電した電気を使うことで、電力会社から買う電力量そのものを減らせます。特に平日の昼間に大きな電力を使う工場・倉庫・店舗は、発電した電気をその場で使い切りやすく、自家消費率を高めやすい業種です。

例えば当社が保守管理を担当している石川県の酒蔵では、折板屋根の形状に合わせてパネルを敷き詰め、限られた屋根面積でも発電量を確保しています。
太陽光発電が補助対象になる3つの条件
今回の補助金で太陽光発電設備が対象になるには、次の3条件をすべて満たす必要があります。

- 10kW以上であること ― 太陽電池モジュールの公称最大出力合計値と、パワーコンディショナーの定格出力合計値の低い方をkW単位で小数点以下切り捨てして判定します。
- 発電量の50%以上を自家消費すること ― 昼間の電力消費が大きい工場・倉庫・店舗ほど、この条件を満たしやすくなります。
- FIT・FIPによる売電を行わないこと ― 固定価格買取制度(FIT)やFIP制度で余剰電力を売電する計画では申請できません。
蓄電池は、太陽光発電設備と同時に設置する場合のみ補助対象になります。蓄電池だけを単独で導入する工事は対象外です。

栃木県内の物流倉庫の屋根に設置された自家消費型太陽光発電設備(写真)のように、大きな屋根面積を持つ倉庫・工場は10kW以上の設備を無理なく設置しやすく、今回の補助金の対象条件と相性が良い業態です。
補助額はいくら?試算例で確認
補助金額は「補助対象経費(税抜)×補助率」で計算し、千円未満の端数は切り捨てます。補助対象経費は設備費と工事費の合計(消費税を除く)で、原則2者以上の見積のうち最低価格が上限になります。
試算例: 設備費・工事費(税抜)400万円の場合
20kW前後の屋根置き太陽光発電設備を想定した試算です。
- 通常型(補助率1/2): 4,000,000円 × 1/2 = 2,000,000円
- 特別型(補助率2/3): 4,000,000円 × 2/3 = 2,666,666円 → 千円未満切り捨てで2,666,000円
上限500万円に達する目安(検算つき)
上限額を補助率で割り戻すと、上限に達する補助対象経費の目安が分かります。割り戻した金額に補助率を掛け直すと上限額に一致することで検算できます。
- 通常型: 5,000,000円 ÷ 1/2 = 10,000,000円(税抜) → 検算: 10,000,000円 × 1/2 = 5,000,000円
- 特別型: 5,000,000円 ÷ 2/3 = 7,500,000円(税抜) → 検算: 7,500,000円 × 2/3 = 5,000,000円

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| 補助対象経費(税抜) | 通常型(補助率1/2) | 特別型(補助率2/3) |
|---|---|---|
| 400万円 | 200万円 | 266万6千円 |
| 750万円 | 375万円 | 500万円(上限到達) |
| 1,000万円 | 500万円(上限到達) | 500万円(計算上666万6千円だが上限のため頭打ち) |
申請から入金までの流れ
申請から入金までは、大きく5つのステップで進みます。


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| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年9月4日(金)〜9月25日(金) | オンライン申請フォーム(hiroshima-shouene-hojo.jp)から交付申請 |
| 申請額が週予算を超えた場合 | 各週ごとにExcelのランダム関数で抽選し審査順を決定 |
| 2026年9月下旬(予定) | 交付決定通知 |
| 交付決定日以降 | 契約・発注・工事着手・支払い(交付決定前の着手は対象外) |
| 2027年1月29日(金)まで | 事業完了(検収・補助対象経費の支払い完了) |
| 事業完了後30日以内、または2027年1月29日のいずれか早い方 | 実績報告書を提出 |
| 補助金額の確定後 | 精算払いで補助金交付(公募要領のスケジュールでは2027年2月中下旬予定) |
交付決定通知を受け取る前に契約・発注・工事に着手すると、その経費は補助対象外になります。見積の取得や社内検討は先に進めても構いませんが、契約書への押印や着工は交付決定後まで待つ必要があります。
必要書類チェックリスト
交付申請時に提出する書類は次のとおりです。すべての申請者に共通する書類と、条件に応じて必要になる書類があります。
共通で必要な書類
- 補助金交付申請書(別記様式第1号)
- 事業計画書(別紙1)
- 誓約書(別紙2)
- 見積書の写し(原則2者以上・交付申請の3か月以内に発行されたもの)
- 導入する設備の仕様・性能がわかる書類(カタログ等)の写し
- 現況設備(導入前)の写真
- 図面(全体配置図など)
- 履歴事項全部証明書(法人・3か月以内)または開業届など事業を行っていることが分かる書類(個人)
- 広島県の納税証明書の写し(3か月以内)
条件に応じて必要な書類
- リースを利用する場合: リース契約書及び料金計算書案(補助金適用前後の2種類)
- 特別型で申請する場合: 省エネ診断報告書の写し(診断受診企業名・診断実施事業者名・診断実施場所・診断実施年月日・CO2削減効果の記載があるページ)
よくある落とし穴5つ
- 交付決定前の契約・発注・工事着手はすべて対象外 ― 交付決定通知を受け取る前に動いた経費は補助対象になりません。
- FIT・FIPで売電すると対象外 ― 発電量の50%以上を自家消費し、売電しないことが条件です。
- 蓄電池は太陽光と同時設置のみ対象 ― 蓄電池だけを単独で導入する工事は対象外です。
- 国・県の他の補助金との重複は不可 ― 同一設備で国や広島県の他の補助制度と重ねて受給することはできません(市町単独の補助金で国費が入っていないものは併用可能)。
- 先着順ではなく週ごとの抽選 ― 申請額が各週の予算を超えると、Excelのランダム関数で審査順が決まります。早く提出すれば必ず通るわけではありません。
splightのサポート範囲
この補助金は、販売事業者や施工事業者による申請代行ができない制度です。申請者は設備を導入する事業者様ご自身になります。

株式会社splightは、申請代行はできませんが、申請書類一式の作成から申請のレクチャーまで実施します。
- 交付申請書(別記様式第1号)・事業計画書(別紙1)・誓約書(別紙2)の作成
- 添付書類の整備: 太陽光発電設備の配置図・仕様書(カタログ)・現況設備の写真撮影・見積書(2者見積の取得サポートを含む)
- 発電量シミュレーション・自家消費率の試算(事業計画書に記載する数値の裏付け)
- オンライン申請フォームの入力手順のレクチャー(画面を見ながら一緒に進めます)
申請フォームへの入力・提出は事業者様に行っていただきますが、書類がそろった状態で入力手順までレクチャーしますので、初めて補助金を申請される方でも安心して進められます。まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. 個人事業主でも申請できますか?
はい。中小企業基本法の中小企業者に該当する個人事業主も対象です。法人の履歴事項全部証明書の代わりに、開業届など事業を行っていることが分かる書類を提出します。
Q2. 太陽光と蓄電池を同時に導入すれば蓄電池も対象になりますか?
太陽光発電設備と同時設置する蓄電池は対象になります。ただし蓄電池だけを単独で導入する場合は対象外です。
Q3. 申請してから交付決定までどれくらいかかりますか?
公募要領のスケジュールでは、第2期(9月4日〜9月25日受付)の交付決定は2026年9月下旬を予定しています。あくまで予定であり、審査状況により前後する可能性があります。
Q4. 補助金が振り込まれるのはいつですか?
事業完了後に実績報告書を提出し、内容が確認されて補助金額が確定した後、精算払いで交付されます。公募要領のスケジュール表では2027年2月中下旬(予定)とされています。
Q5. 見積は1者だけではダメですか?
原則として2者以上の見積を取り、最も価格の低い見積を補助対象経費の上限とする必要があります。
Q6. 屋根が古い場合、屋根の補修費も対象になりますか?
補助対象設備の設置に直接関係しない建物改修や、既存設備の修繕・保守・点検の費用は対象外です。太陽光発電設備本体の設置に必要な範囲の工事費のみが対象になります。
Q7. 補助金の申請を代行してもらえますか?
制度上、販売事業者や施工事業者による申請代行はできません。当社は申請書類一式の作成と、オンライン申請フォームの入力手順のレクチャーまで行いますので、提出はお客様ご自身に画面を見ながら進めていただきます。
屋根置き太陽光発電の現地調査・お見積もりのご相談
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