ソーラーウィーク2026 優秀賞を受賞|水田の垂直型ソーラーシェアリング(石川県白山市)

ソーラーウィーク2026 優秀賞 受賞のお知らせ。水田の垂直型ソーラーシェアリング(石川県白山市)

株式会社吉田酒造店様(石川県白山市)を代表事業者とする取り組みが、太陽光発電協会(JPEA)の「ソーラーウィーク2026 優秀賞」を受賞しました。当社は、Suichoku Solar株式会社様とともに共同事業者として加わっています。

受賞した取り組みの名前は「世界初※の『水田』における垂直型ソーラーシェアリング ― 酒蔵・技術・地域が共創する、銘酒『手取川』サステナブル酒造りモデル ―」です。

この記事では、受賞の内容と、酒蔵の隣の水田で酒米と電気を同時につくるこの取り組みの特長、当社の役割をご紹介します。

ソーラーウィーク2026 優秀賞を受賞しました

JPEA は2026年10月14日に、2026年度の審査結果を発表しました。審査は学識経験者による審査委員会が5つの評価項目にもとづいて行い、各評価項目を総合的に評価して最も優れている事業が大賞、優れている事業が優秀賞に選ばれます。今回の優秀賞は5事業者で、その1つに選ばれました。

  • 受賞:ソーラーウィーク2026 優秀賞
  • 所在地:石川県白山市
  • 代表事業者:株式会社吉田酒造店
  • 共同事業者:株式会社splight(運用保守・遠隔監視・申請補助)、Suichoku Solar株式会社(垂直型架台・両面パネルの供給)
  • 表彰式:2026年11月5日(木)野村コンファレンスプラザ日本橋

審査結果は JPEA のページで公開されています:2026年度「ソーラーウィーク大賞」審査結果発表(太陽光発電協会)

※「世界初」は、水田に設置した垂直型ソーラーシェアリングとして。架台の供給元(共同事業者)への照会により確認(2026年8月時点)。

表彰式の様子は、式のあとにこの記事へ追記します。

酒蔵の隣の水田で、酒米と電気を同時につくる

吉田酒造店様は、明治3年(1870年)創業の酒蔵です。白山市で清酒「手取川」を醸し、「未来につなぐ、持続可能な酒造り」を理念に掲げています。2021年に使う電気を再生可能エネルギー100%に切り替え、2024年4月には自社の水田で垂直型ソーラーシェアリングが完成しました。

設備は、酒蔵の隣にある自社の水田2,412㎡に、両面発電のパネル198枚を垂直に立てたものです。垂直型の設備容量は91.08kW(DC)です。パネルの間の水田では、これまでどおり酒米を育てています。

発電した電気は売らずに、本社工場と瓶詰工場の2拠点で全量を使います。水田で育てた米を、その水田でつくった電気を使って醸す仕組みです。

収穫前の黄金色の水田に、両面発電パネルを垂直に立てた列が平行に並ぶ。左奥に酒蔵の建物
撮影:2025年9月 石川県白山市・収穫前の水田 写真:株式会社splight

この取り組みの3つの特長

応募では、この取り組みの特長を農業・技術・地域の3つの面から示しました。

農業:水田のまま、パネルを垂直に立てる

パネルを垂直に立てるため、水田の上を広く覆いません。遮光率は設計上1.32%です。パネルの外周は、トラクター・田植え機・コンバインが通って向きを変えられる設計です。

米づくりは蔵の米作り担当の方が担い、田植えと稲刈りは近隣の契約農家の方の手を借りて行っています。

技術:雪の13日間も、毎日発電

2026年1月23日から2月4日までの13日間、屋根上の太陽光は雪に覆われ、発電量が毎日0kWhでした。同じ13日間も、垂直型は毎日発電を続けました。垂直に立てたパネルには、雪がとどまりにくいためです。

2026年1月から2月の1日あたりの発電量のグラフ。1月23日から2月4日まで屋根上の太陽光は0kWhが続き、同じ期間も垂直型は毎日発電している
積雪期の発電実績(2026年1〜2月・瓶詰工場の実測)。出典:当社監視システム、積雪深は気象庁 金沢地方気象台

グラフの2月3日(積雪40cm)は、垂直型の1kWあたりの発電量が7月の日平均と同じくらいでした。雪面の反射が寄与したとみられます。

また、パネルは東と西を向いているため、朝と夕方に発電のピークがきます。南向きの屋根上の太陽光は日中に発電するので、組み合わせると日の出ている時間を通して発電が途切れにくくなります。

地域:その電気と米で醸し、地域へ還す

この水田では、能登の在来種の酒米「巾着」を育てています。能登半島地震で産地での作付を続けるのが難しくなり、農家の方からの依頼を受けて、2024年からこの水田で育て始めました。収穫した酒米は蔵で醸します。

さらに、清酒売上の一部を、2021年から白山手取川ユネスコ世界ジオパークへ寄付しています。電気と米を地域でつくり、酒を通して地域の自然を守る活動へ還す流れです。

主な数字

受賞した取り組みの主な数字。垂直型の設備容量91.08kW(DC)両面パネル198枚、下の水田の面積2,412㎡、遮光率1.32%(設計値)、2025年の発電量102,686kWh(2拠点の合計・屋根上20kWを含む)、年間のCO2削減量 約43t-CO2
発電量は屋根上の太陽光20kWを含む2拠点の合計です
表の内容をテキストで見る
項目 数字 範囲・算出のしかた
垂直型の設備容量 91.08kW(DC) 両面パネル198枚
下の水田の面積 2,412㎡ 酒蔵の隣の自社水田
遮光率 1.32% 設計値
2025年の発電量 102,686kWh 2拠点の合計・屋根上20kWを含む
年間のCO2削減量 約43t-CO2 全国平均の排出係数(令和5年度実績)で算出

※ 発電量は、屋根上の太陽光20kWを含む、本社工場・瓶詰工場の2拠点の合計(2025年の実績)です。垂直型だけの発電量ではありません。
※ CO2削減量は、この発電量に全国平均の排出係数(令和5年度実績 0.000423t-CO2/kWh・環境省と経済産業省の公表値)を掛けて算出しました。
※ 主な数字の表の画像は、画像生成AIで作成しました。

当社の役割:運用保守・遠隔監視・申請補助

当社は2025年7月から、この設備の運用保守をお任せいただいています。

  • 遠隔監視:発電量の異常やパワーコンディショナの状態を確認します
  • 定期保守:設備を定期的に点検します
  • 自家消費の設定の調整:蔵で使う電気に合わせて、遠隔で設定を調整します
  • 申請補助:設備にかかわる各種の申請をお手伝いします

架台とパネルは Suichoku Solar株式会社様が供給しています。今回の受賞は、酒蔵・架台の供給元・運用保守の3社が、それぞれの持ち場で取り組みを支えてきた結果だと考えています。

雪国や水田で垂直型を考えている方へ

「雪の多い地域の水田でも、営農型太陽光ができるのか」という声をいただくことがあります。垂直型の特長は、パネルに雪がとどまりにくく、水田の上を広く覆わないことです。この取り組みのように、農業を続けながら自分で使う電気をつくる形もあります。

水田や積雪地で垂直型を検討している方は、農地の条件や電気の使い方をうかがったうえで、合う方式をご提案します。

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)のご相談

牧草地・放牧地・農地での営農型太陽光発電について、農地転用の検討・パネル配置・遮光率設計・営農型補助金の申請まで、splightが全国対応で一貫サポートします。営農を続けながらの導入をご検討の方はお気軽にご相談ください。

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