営農型太陽光 農地法施行規則と基本方針の改正|施行日・遮光率など基準の数値
営農型太陽光の許可の条件を変える農地法施行規則の改正省令と、設備の基準を定める基本方針の改正が、2026年10月9日に公布されました。農地法施行規則の部分は2027年4月1日から施行です。
本記事は2026年10月20日時点で公表されている資料(2026年10月9日発行)に基づきます。営農型太陽光とは、農地に支柱を立て、上部で発電しながら下部で農業を続ける仕組みです。
2026年10月9日に公布された営農型太陽光の決まり
まず、農地のある市町村に、基本計画か実行計画があるかを確かめてください。基本計画は、市町村が作る再生可能エネルギー発電の促進に関する計画です。実行計画は、自治体が作る温暖化対策の計画です。詳しい説明は、次の章で続けます。
対象は、営農型太陽光を計画する農業者、発電事業者、発電所の所有者です。
公布されたのは、次の2つです。
- 改正省令(農林水産省令第七十二号)。許可の条件を変えます。
- 基本方針の改正(農林水産省・経済産業省・環境省告示第5号)。設備の基準の数値を定めます。
改正省令の番号と公布の日は、再エネ法施行規則の改正履歴に記載されています。基本方針の告示番号と日付は、基本方針(告示第5号)に記載されています。
ここでいう再エネ法は、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律(以下、農山漁村再エネ法、または再エネ法)のことです。
施行の日は、改正省令の本文の附則第1条に書かれています。2027年4月1日から施行です。ただし、第2条の規定は公布の日から施行です。第1条は農地法施行規則の改正、第2条は再エネ法施行規則の改正です。
この記事では、2つの改正を分けて書きます。農地法施行規則の改正は、許可の条件を定めます。基本方針の改正は、遮光率や最低地上高などの数値を定めます。数値は施行規則ではなく、基本方針に書かれています。
表の内容をテキストで見る
| 決まり | 番号 | 公布・改正の日 | 施行の日 |
|---|---|---|---|
| 改正省令 第1条(農地法施行規則) | 農林水産省令第七十二号 | 2026年10月9日 | 2027年4月1日 |
| 改正省令 第2条(再エネ法施行規則) | 農林水産省令第七十二号 | 2026年10月9日 | 公布の日 |
| 基本方針 | 3省告示第5号 | 2026年10月9日 | 資料で確かめてください |
省令と基本方針は、どちらも2026年10月9日付けで省令の意見募集の結果と基本方針の意見募集の結果が公示され、制定されました。
この記事は、公布されて確定した内容を、e-Gov と農林水産省の資料で確かめて書いています。現行の決まり(2024年4月から)と申請の手順は、既存の記事ソーラーシェアリング 農地法改正2026年版|農地転用要件・一時転用ガイドラインの変更点と申請手順で読めます。
制度の問い合わせ先は、農林水産省 大臣官房環境バイオマス政策課 再生可能エネルギー室です。電話は代表 03-3502-8111(内線4341)、直通 03-6744-1508です。
農地法施行規則の改正で変わる一時転用の許可の条件
一時転用とは、農地を期間を決めて農地以外の用途に使うことです。営農型太陽光は、支柱を立てる部分をこの一時転用として許可を受けます。
第47条第6号: 設備整備計画の認定の見込み
農地法施行規則の第47条は、農地法第4条第6項第3号の農林水産省令で定める事由を定める条文です。許可されない事由が並んでいます。
改正省令の新旧対照の資料によると、第6号は営農型太陽光発電である場合の事由です。再エネ法第7条第1項の設備整備計画について、同条第3項の認定の見込みがないことが、許可されない事由になります。
設備整備計画とは、発電設備を整える事業者(設備整備者)が作る計画です。基本方針によると、設備整備者は設備整備計画を作成し、当該市町村に認定の申請を行います。窓口は市町村です。
実行計画がある市町村の場合
地球温暖化対策推進法(以下、温対法)第21条第1項の地方公共団体実行計画(以下、実行計画)を策定した市町村には、別の定めがあります。実行計画とは、自治体が作る温暖化対策の計画です。
その市町村の区域内では、許可されない事由は、温対法第22条の2第1項の地域脱炭素化促進事業計画について、同条第3項の認定の見込みがないことです。
対象になる実行計画は、温対法第21条第5項各号の事項が定められ、再エネ法第4条第1項の基本方針に適合するものに限ります。
第57条第6号も同じです。農地を農地以外にするための権利移動の許可で、営農型太陽光発電である場合は、設備整備計画の認定の見込みがないことが事由になります。
基本計画とは
基本計画とは、市町村が作る、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する基本的な計画です。再エネ法第5条に定めがあります。
基本方針によると、市町村は営農型太陽光発電設備を基本計画に位置づける場合、原則として、基本理念と、設備の形状・実施の形態を基本計画に明記します。
つまり、許可の前提は市町村の計画と、設備整備計画の認定の見込みに置かれます。冒頭で、基本計画か実行計画の有無を確かめるよう書いたのは、このためです。
経過措置は、改正省令の附則に定めがあります。中身は改正省令の本文で確かめてください。2027年4月の施行の前後で、申請と許可の更新がどう扱われるかは、経過措置の記事にまとめています。
基本方針で示された設備の基準の数値
基本方針(告示第5号)は、設備について4つの数値を示しています。これらは農地法施行規則ではなく、基本方針の内容です。

表の内容をテキストで見る
| 項目 | 基準 | 補足 |
|---|---|---|
| 遮光率 | 30%未満 | 直下の農地に対する投影面積の割合 |
| 日射量の減少率 | 20%未満 | 遮光率で判定が困難な設備 |
| 最低地上高 | おおむね3m以上 | ほ場からの高さ |
| 農業機械の通路の幅 | おおむね4m以上 | 確保されるよう支柱を設置 |
遮光率と日射量の減少率
遮光率とは、設備直下の農地の面積に対する、太陽光発電設備の投影面積の割合です。基本方針では、遮光率は30%未満とされています。
遮光率での判定が困難な設備は、別の物差しを使います。農作物の生育期間を通じて、ほ場の全ての地点で日射量の減少率が20%未満であることです。
最低地上高と農業機械の通路の幅
ほ場からの最低地上高は、おおむね3m以上です。
農業機械の通路の幅は、おおむね4m以上が確保されるように支柱が設置されていることです。あわせて、耕作者が農作業を効率的に行うことができる空間が確保できていることも求められます。
設計では、支柱の位置を、使う農業機械の通路の幅から逆算して決めます。高さは、ほ場からの最低地上高で測ります。
基本方針で示された営農者の要件と収量の基準
基本方針は、設備だけでなく、営農を続ける人と下部の農地の収量にも基準を置いています。出どころは同じ基本方針(告示第5号)です。

表の内容をテキストで見る
| 項目 | 基準 | 補足 |
|---|---|---|
| 地域計画の区域内 | 農業を担う者として記載 | 営農者が地域計画に記載 |
| 生産・販売実績 | 年間50万円以上等 | 資料に税の扱いの記載なし |
| 単収 | おおむね2割以上減少するおそれがない | 市町村内の平均的な単収と比較 |
営農者の要件
地域計画の区域内に設置する場合は、営農者が地域計画に農業を担う者として記載されていることが必要です。
また、下部の農地で栽培する農作物について、年間50万円以上の生産・販売実績等を有しているなど、業としての農業の持続性が確保されていることとされています。この金額は、資料に税の扱いの記載なしです。税の扱いは、農林水産省の問い合わせ先に確かめてください。
収量の基準
下部の農地の単位面積当たりの収穫量(単収)が、同じ年産の市町村内の平均的な単収と比べて、おおむね2割以上減少するおそれがないことが基準です。
ただし、農地法第32条第1項第1号に掲げる農地を利用する場合は除かれます。自分の農地がこの例外にあたるかは、基本方針の該当する箇所で確かめてください。
意見募集の案からの変更点
省令の意見募集は、2026年7月24日から2026年8月22日までの期間で行われました。意見募集の結果によると、意見募集時の案から一部技術的修正を行い、別紙3のとおり制定されました。
この記事で取り上げる変更は、許可の条件に関わる第47条第6号と第57条第6号です。案からの変更点の資料に、修正箇所の全体と、変更前と変更後が載っています。変更理由の欄は、いずれも「技術的修正」と記載されています。
表の内容をテキストで見る
| 条文 | 変更前 | 変更後 | 変更理由 |
|---|---|---|---|
| 第47条第6号 | 再エネ法の認定の見込みのみ | 実行計画の区域の括弧書きを追加 | 技術的修正 |
| 第57条第6号 | 法律の正式名称で記載 | 略称「農山漁村再エネ法」に | 技術的修正 |
第47条第6号の変更
変更前は、再エネ法第7条第3項の認定の見込みがないこと、とのみ書かれていました。
変更後は、実行計画を策定した市町村の区域内での地域脱炭素化促進事業計画の認定の見込みを加えた、括弧書きが入りました。実行計画がある市町村の区域内では、許可の条件は温対法の地域脱炭素化促進事業計画の認定の見込みで判断されます。
第57条第6号の変更
変更前は、法律の正式名称で書かれていました。変更後は、略称「農山漁村再エネ法」に改め、第7条第1項の設備整備計画について同条第3項の認定の見込みがないこと、としています。
附則にも同じ追加があります。
株式会社splightができること
株式会社splightは、補助金や許可の申請書の作成・入力・提出の代行をしません。2026年1月施行の行政書士法の改正によるものです。
当社ができるのは、次のことです。
- 制度の説明
- 遮光率30%未満、最低地上高おおむね3m以上、農業機械の通路の幅おおむね4m以上を前提にした、設備の設計と発電量の試算
- 設備の形状が分かる仕様書と見積書の作成
- 設置工事(対応地域は全国です)
許可や認定の判断は、農地のある市町村と、農林水産省の問い合わせ先に確かめてください。農林水産省 大臣官房環境バイオマス政策課 再生可能エネルギー室の直通は 03-6744-1508です。
よくある質問
Q1. 新しい決まりはいつから適用されますか。
改正省令と基本方針の改正は、2026年10月9日に公布・改正されました。改正省令のうち、農地法施行規則の部分(第1条)は2027年4月1日から施行です。再エネ法施行規則の部分(第2条)は公布の日から施行です。経過措置は附則に定めがあるため、改正省令の本文で確かめてください。
Q2. 遮光率とは何ですか。基準はいくつですか。
遮光率は、設備直下の農地の面積に対する、太陽光発電設備の投影面積の割合です。基本方針では30%未満とされています。遮光率での判定が困難な設備は、農作物の生育期間を通じて、ほ場の全ての地点で日射量の減少率が20%未満であることとされています。
Q3. 支柱と支柱の間は何m空ければよいですか。
基本方針の文は、農業機械の通路の幅がおおむね4m以上確保されるよう支柱を設置すること、です。あわせて、耕作者が農作業を効率的に行うことができる空間が確保できていることが求められています。最低地上高は、ほ場からおおむね3m以上です。
Q4. 設備整備計画の認定は、どこに申請しますか。
設備整備計画の認定を受けようとする設備整備者は、設備整備計画を作成し、市町村に認定の申請を行います。農地のある市町村に、基本計画か実行計画があるかを、まず確かめてください。
Q5. 営農者の要件の「年間50万円以上」は税込ですか。
基本方針の資料に、税の扱いの記載はありません。基本方針では、下部の農地で栽培する農作物について、年間50万円以上の生産・販売実績等を有しているなど、業としての農業の持続性が確保されていることとされています。税の扱いは、農林水産省 大臣官房環境バイオマス政策課 再生可能エネルギー室(直通 03-6744-1508)に確かめてください。
Q6. 制度について、どこに問い合わせればよいですか。
改正省令の意見募集の結果の公示には、農林水産省 大臣官房環境バイオマス政策課 再生可能エネルギー室が問い合わせ先として書かれています。電話は代表 03-3502-8111(内線4341)、直通 03-6744-1508です。基本計画や設備整備計画の認定については、農地のある市町村にも確かめてください。
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